講演会・イベント一覧

学術講演会

2009年5月30日(土)
第1回講演会 究極のアンチエイジング― 再生医療の現状と未来 ―  開催いたしました

近畿大学 アンチエイジングセンターでは私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の支援を受け、第1回講演会を開催いたしました。今回、究極のアンチエイジング― 再生医療の現状と未来 ―をテーマに、本講演会では、「究極のアンチエイジング」としても脚光を浴びている、「再生医療の現状と展望」に関して、第一線でご活躍の先生方に最新の研究成果もふくめて御講演頂きました。当日大勢の方が来され、活発な討論が行われました。

日 時 : 平成21年5月30日(土)14:00 ~ 17:00
場 所 : 近畿大学 Eキャンパス B館 10階 マルチメディア会議室

講演内容

講演1 : 再生医療の現状と課題

近畿大学薬学総合研究所 所長 早川 堯夫

早川先生

再生医療は、重篤で生命を脅かす疾患、身体の機能を著しく損なう疾患、身体の機能や形態を一定程度損なうことによりQOLを著しく損なう疾患などに対し、患者自身又は他者より分離した細胞や組織を、適宜、培養等の加工処理を行った後、患者に投与し、細胞の機能発現や失われた組織・臓器の修復・再生を図ることにより、疾患の治療を行う医療です。臓器移植の量的制約や倫理的問題の解決のほか、 従来の治療法の限界を克服できる治療法として期待されています。
本講演では、再生医療に用いられる細胞、わが国における臨床研究の動向、実用化の現状、実用化推進への臨床研究・企業・国などの役割、細胞組織加工医薬品・医療機器の品質・安全性・有効性評価のポイント、胚性幹細胞やiPS細胞などの万能細胞を用いた再生医療をめぐる課題などについて概説頂きました。

 

講演2 : 再生医療と未来

(財)先端医療振興財団 先端医療センター研究所
膵島肝臓再生研究グループ グループリーダー
松山晃文

松山先生

ヒトゲノムプロジェクトがほぼ終了、世界はポストゲノム・バイオテクノロジーの実用化時代に突入しています。そのなかでも再生医学へ向けられるまなざしは熱く、難治性疾患への光明として話題に上らない日はなく、特に肝硬変、心筋梗塞、糖尿病といった難治性疾患に対する再生医療が求められています。
再生医療を実現するには、様々な組織・臓器を作る能力を持つ幹細胞を体のどの部分から得るか、そしてその幹細胞がどのような臓器になりうるのかを検討する必要があります。そこで私どもは、安全でしかも大量に得ることができる脂肪組織に着目し、そこから様々な組織・臓器になりうる幹細胞を得ようと考えました。ついで、その幹細胞を用いて肝硬変、心筋梗塞、糖尿病を治療できないかと考えたのです。
本会では、「再生医療の未来」について、海外での研究進捗状況、日本の研究進捗状況、そして私たちが行ってきた研究成果をご報告し、5年後あるいは10年後に実現されているであろう再生医療についてお話頂きました。

 

清野先生

講演3:糖尿病の再生医療の現状と展望

神戸大学大学院医学研究科
生理学・細胞生物学講座 細胞分子医学 教授
内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科学分野 教授
清野 進

糖尿病は今や地球的規模で増加の一途をたどり、その解決は医学的、社会的に重要である。膵β細胞の研究は、糖尿病の病態の解明や新規治療法の開発の中心的な課題です。β細胞の研究は1)インスリン分泌機構、2)β細胞の分化、死、再生など運命決定機構、3)糖尿病の病態とβ細胞機能不全との関係などに焦点が当てられています。糖尿病の終末像はβ細胞の破壊や機能不全によるインスリン欠乏(依存)状態です。このような状態の糖尿病患者に対してβ細胞の再生医療が期待されています。膵β細胞の再生のアプローチとしては1)in vitroにおける幹(前駆細胞)からの再生誘導、2)内在性幹(前駆)細胞からの再生誘導、3)膵臓・膵島移植、4)バイオ人工膵臓などが試みられているが、正常機能を備えた再生β細胞を誘導あるいは作製するためには正常のインスリン分泌機構を理解することが不可欠です。本シンポジウムでは糖尿病の再生医療の現状と展望についてβ細胞の機能と再生の点について講演頂きました。

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