学長メッセージ

近畿大学は「実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神に、「人に愛され、信頼され、尊敬される」人づくりを教育の目的として、 1925年創立の大阪専門学校と、1943年創立の大阪理工科大学を母体として、1949年に設立されました。本学は創設者・世耕弘一の「学びたい者に学ばせたい」という信念をもとに、医学部から文芸学部さらには通信教育部などを開設し、すべての学部で「実学教育」を実践し、社会で役立てる人材を育成することを目指しています。

COVID-19の影響によって、大学を取り巻く環境は大きく変化しました。本学においても、オンライン授業の導入やクラブ活動の制限など、学生たちは大きな影響を受けましたが、ようやく各キャンパスで活気が戻り、アフターコロナの風を感じています。

一方で、近畿大学では、ニューノーマル時代の新たな教育の提供をめざして、授業のオンデマンド化を推進してまいりました。2021年に東大阪キャンパス内に開設した音響・動画処理の設備を揃えたスタジオ「KICS」において、高品質なオンデマンド授業を制作してきました。さらに、学生のオンデマンド授業の視聴データの分析にも取り組んでおり、そこで得られた知見を生かして、今後も効果的な授業を展開してまいります。

また、本学では多様な環境に対応できる人材育成の1つとして、2025年までに100社の大学発ベンチャー企業を創出することを目指し、大学全体で起業支援の取り組みを強化しています。その一環として、近畿大学発ベンチャー起業支援プログラム「KINCUBA」を始動させました。さらに、このプログラムを推進する拠点として、近畿大学東大阪キャンパスの西門前に、インキュベーション施設「KINCUBA Basecamp」を2022年10月に開設しました。起業マインドが旺盛な学生や教員が気軽に集まり、自由な交流・ディスカッションから新たな事業アイデアが生まれるなど、起業にチャレンジするきっかけをより一層創出する施設にしたいと考えています。

2025年に100周年を迎える近畿大学は、次の100年にも社会に必要とされる私立学校として「建学の精神」と「教育の目的」に基づいた独自性の高い特色ある教育・研究活動を行うとともに、地域医療を支える機関として安全で質の高い先進医療を提供してまいります。また、「常に革新的である」、「社会の役に立つ」、「期待され応援される」を行動指針とし、その先のあるべき姿として「学校法人近畿大学長期ビジョン2030 時代の変化に対応し、選ばれる教育機関であり続ける」を掲げました。18歳人口の減少に伴い、大学をはじめ教育機関を取り巻く環境は厳しい状況にありますが、常に未来を志向する総合大学であり続けるため、教職員一同、一丸となって邁進する所存です。

学長

細井 美彦
YOSHIHIKO HOSOI
近畿大学学長