刊行にあたって
近畿大学学長 野田 起一郎

刊行にあたって

近畿大学学長 野田 起一郎

本学が、自己点検・評価のための「近畿大学における教育・研究の現況に関する検討委員会を」を発足させたのは平成4年である。この委員会の審議経過をふまえ、先ず、各学部、各研究所がそれぞれの部局において現状の調査、点検を行い、その結果をそれぞれ個別に報告してきた。しかし、それらは部局ごとに形式も異なり、その分析の密度にもかなりの温度差があった。そこで、前記の委員会のなかに、実務委員会を作り、一定の形式を定め、全学の各部局に対して、これに沿った平成7年時点における報告の提出を求めた。このようにして集められた各部局からの報告を全学的視点でまとめ、「近畿大学における教育・研究の現状と課題」と題する自己点検評価報告書を平成9年に刊行した。
そして、この報告書の刊行時、ここで指摘された課題がどのように改善されたかを3年後に検証することが定められていた。

この3年後の自己点検・評価のための全学の調査を行うに当って、単なる自己点検・評価のみでなく、その評価を第3者に委ねる客観的評価の必要性が、前回の調査の経験と反省から痛感され、その意味で大学基準協会の相互評価を受けることが平成11年11月の大学協議会において決議された。そこで、大学基準協会に対して、平成12年8月に相互評価の申請を行い、平成13年3月に「大学基準」に適合している認定大学としての評価結果を受領した。

本報告書は、大学基準協会へ相互評価のために提出した全学編の概要をまとめたものである。

相互評価を受けるにさいして基準協会に提出する報告書をまとめるための作業量はかなり膨大なものとなった。この膨大な作業を比較的短期間でなし遂げることができたのは、この相互評価の現時点における重要性を全学の教職員が強く認識していたことの証左でもあるが、多大のご努力を強いることになった担当副学長をはじめ、各学部委員、全学編編集委員および事務局(総務部)の方々に対して深甚の謝意を表する。

今回の相互評価に向けた全学的取り組みは、大学の理念・目的を再認識する上でも、様々な問題点・課題が浮きぼりになった点でも、また将来への改善・改革の方向を明確にすることができた点でも、大変有意義であった。今後はさらに自主的な自己点検活動を継続的に行うことによって、大学の社会的使命を果たすための改革を鋭意続けていきたい。