農学部における「求める教員像および教員組織の編制方針」

地球温暖化や環境保全、貧困と飢餓、食の安全と健康増進など、現代社会が抱える諸問題を解決するための学問、それが「農学」です。農学は「食料」、「環境」、「生命」、「健康」、「エネルギー」をキーワードとした幅広い学問領域を有し、地球の新たな未来を切り開く、無限の可能性を秘めています。2015年9月の国連サミットで、2030年までの世界の達成目標であるSustainable Development Goals(SDGs:持続的な開発目標)が設定されました。1958年の開設当初から農学部が目指してきた教育・研究目標は、このSDGsの目指すものと一致します。農学分野の特性を背景として、農学部では『チャレンジ精神を持ち、心豊かで社会に貢献できる人材の育成』を教育理念とし、そのための教育目標として、『社会のニーズに対応した専門知識と技術の習得、問題解決力の向上、豊かな倫理性・人間性の涵養』を掲げています。この農学部の教育理念・目標は、近畿大学の建学の精神である『実学教育』と『人格の陶冶(とうや)』、教育目的である『人に愛される人』、『人に信頼される人』、『人に尊敬される人』の育成に基づいたものです。

農学部の教育理念・目標を実現するため、農学部が求める教員像は以下のとおりです。

農学部が求める教員像

1.
近畿大学の建学の精神と教育目的及び農学部の教育理念と教育目標を深く理解し、農学部のディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーの3つの教育方針の実現に貢献する者。また、本学のアセスメント・ポリシーに基づき、教育の質保証と自己点検による改善に努められる者。
2.
専門分野に関する一定の研究業績・研究能力を有する者または専門分野における実務の経験を有し且つ、高度の実務の能力を有する者。
3.
教育、研究、社会貢献、そして農学部の運営において自らの使命を自覚し、その発展に寄与するとともに、高い倫理性と清廉性を持ってその使命を遂行できる者。

農学部の教員組織の編制方針

1.
必要教員数
  • 「大学設置基準」、「大学院設置基準」等の関連法令に基づき、適切な教員を配置する。
  • 収容定員に対する教員一人当たりの学生数に考慮した教員組織を適切に編制する。
2.
教員編制
  • 年齢、性別等を考慮した適正な教員組織を編制する。特に食品栄養学科については栄養士法における管理栄養士養成施設指定の基準にも配慮した教員組織を編制する。
  • グローバル化に対応する国際性を配慮した教員組織を編制する。
3.
主要授業科目の担当
  • 教育上主要と認める授業科目については、原則として専任の教授又は准教授が、主要授業科目以外の授業科目についてはなるべく専任の教授、准教授、講師又は助教が担当する。なお、管理栄養士養成施設である食品栄養学科については、契約助手が適宜実験実習等の授業補助に当たる。
4.
教員の募集・採用・昇任
  • 教員の募集は、原則公募とする。
  • 教員の採用・昇任では「近畿大学教員選考基準」、「大学院教員に関する内規」、「近畿大学農学部教員昇任および任用基準」、「近畿大学農学部教員昇任および任用基準細則」の規程を、適切性と透明性を担保して運用する。
5.
教育内容の改善のための組織的な研修等
  • 教員の質的向上ならびに教員組織としての多種多様な活動全般の向上に資するため、農学部・農学研究科における組織的なFD(ファカルティ・ディべロップメント)活動を実施する。