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ニュースリリース

近畿大学・大阪歯科大学 "歯の絆創膏" 極薄アパタイトシートの歯科治療応用へ向け共同研究 歯質の修復・保護・審美や知覚過敏の治療などに極薄シートの実用化目指す

2010年9月28日

 近畿大学(本部:大阪府東大阪市、学長:畑博行)と大阪歯科大学(本部:大阪府枚方市、理事長・学長:川添堯彬)は、骨や歯の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAp)を特殊な技術を用いて厚さ20マイクロメートル(0.02ミリメートル)以下に加工した「極薄アパタイトシート」を、"歯の絆創膏"として用いて歯科治療を行う共同研究を開始しました。また、この治療に関する特許(硬組織再生材料および硬組織再生方法)も出願しました。

 研究は、独立行政法人科学技術振興機構の「シーズ発掘試験」の成果をもとに、近畿大学生物理工学部の本津茂樹教授(学部長)と、大阪歯科大学歯科保存学講座の吉川一志准教授を中心とする研究チームが共同で行います。

 アパタイトはセラミック材料であるため、硬くて曲げることは非常に困難ですが、開発した極薄アパタイトシートは、薄いために曲げることができ、いろいろな形状に合わせて貼り付けることが可能です。また、チューブやドーム状といったさまざまな形のものも容易に作製できます。さらに、生体親和性に優れており、同じ成分をもつ歯や骨の表面に絆創膏のように直接貼り付けられるという特徴があります。シートは無色透明ですが、着色することも可能です。
 これらの特徴を活かし、歯質の修復・保護や審美、知覚過敏の治療、小児向け予防歯科などの歯科治療の分野で極薄アパタイトシートを活用するための研究を行います。

 研究チームでは今後、歯科治療での極薄アパタイトシートの早期実用化を目指し、臨床を含むさまざまな実証実験を行うとともに、製薬会社や素材メーカーなどと製品開発へ向けた協議も進めていきます。

極薄アパタイトシートについて

 骨や歯の主成分であるHApは、生体との適合性に優れているため医療分野での活用が期待される素材です。近畿大学・本津教授のグループは2007年5月、高エネルギーの紫外線レーザーを用いる「レーザーアブレーション(PLD)法」と呼ばれる薄膜化技術と、薄膜を基材から単離するシート化技術を用い、アパタイトのみから成る、透明で曲げられる極薄アパタイトシートの開発に、世界で初めて成功しました。また、このシートを細胞足場として用いれば再生医療用の細胞シートも作製可能であることを示しました。さらに、シート状だけでなく歯にすっぽりかぶせて歯質を保護するための3次元(立体)成形(クラウン)などの開発にも成功しています。

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