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理工学部の河野英二講師が第9回日本独文学会賞を受賞しました

 近畿大学理工学部教養・基礎教育部門の河野英二講師が、2010年に早稲田大学出版局から出版した"Geschriebene Schauspielkunst". Die Performativität der Satire bei Karl Kraus und ihr historischer sowie sprachkritischer Hintergrund.(「書かれた見せ物芸術」― カール・クラウスにおける諷刺の行為遂行性とその歴史的および言語批判的な背景)で、第9回日本独文学会賞(ドイツ語研究書部門)を受賞しました。


河野英二講師

第9回日本独文学会賞受賞をうけて

理工学部教養・基礎教育部門 講師 河野英二

 19世紀末から20世紀初頭にかけてのウィーンは、文化と学術のさまざまな分野で革新者が輩出したことで知られています。
 諷刺家カール・クラウスもその一人ですが、個人雑誌『ファッケル(たいまつ)』と朗読会を通じて行われた彼の多彩な表現活動は、これまで統一的な視座から論じられることがなく、そのため彼の仕事のアクチュアリティも見逃されがちでした。
 本書は言葉による表現と身体による表現を結びつけることを可能にする「行為遂行性(パフォーマンス性)」という概念を導入することで、この欠落を埋め合わせようと試みたものです。
 クラウスの活動の主眼は、当時最大のマスメディアであった新聞への諷刺にありました。その実践と理論には、現在ソーシャルメディアの登場によって問い直されている「メディア社会」の本質にアプローチするための創発的なヒントが数多く含まれています。それに向かい合うとき、言葉と文学の問題を考えることは時代遅れな行為などではまったくない、ということを改めて痛感せざるを得ません。
 文学研究の現代的な意義を、情報工学をはじめとする関連分野との連携を図りつつ追究すること、それが私の今後の課題です。

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