"里山ビオトープ"でのニッポンバラタナゴ繁殖を確認調査 近畿大学農学部、12月9日(金)・奈良市中町にて実施
近畿大学農学部(奈良市中町、学部長:宇都宮直樹)では、環境管理学科水圏生態学研究室(北川忠生講師)が、絶滅が危惧されるニッポンバラタナゴの繁殖に取り組んでいます。2002年2月以来、農学部キャンパス内の里山にあるため池(希少魚ビオトープ)で進めてきた繁殖活動が初めて成功した可能性が強まったため、同研究室では2011年12月9日(金)、池の水をすべて抜いて本格的な個体数の調査を行います。
ニッポンバラタナゴは、環境省レッドデータブックで絶滅危惧IA類に分類されるコイ科魚類です。近年、九州中北部と香川県、大阪府で生息が確認されていましたが、2005年に同研究室が新たに奈良公園内の池で生息しているところを発見し、農学部キャンパス内の里山にあるため池で本格的な繁殖活動を行っています。
2010年2月に20尾を放流しましたが、繁殖には失敗。翌2011年春に40尾を追加放流したところ、夏に稚魚の大量発生が確認されました。今回の調査は、繁殖結果を正確に把握することが目的です。
今回、研究室の学生26人(予定)がタモ網を用い、水を抜いた池の中の全生物を採取します。そのうえでニッポンバラタナゴの尾数確認のほか、アメリカザリガニなど外来種の駆除を行います。
里山は、農業などの人間生活と自然環境が共生する空間です。その里山での生息池の復元は、人間の活動と絶滅危惧種の理想的な共存の道筋を探り、研究教育や環境保全に役立てるための貴重なモデルケースと位置づけられています。
参考資料
【ニッポンバラタナゴについて】
■ 大阪府、香川県と九州中北部のみに分布する日本固有亜種。
■ 全長は最大で約5 cm近くになり、約1年で成熟する。寿命は約2年。
■ かつては、琵琶湖淀川以西の本州ならびに四国の瀬戸内平野と熊本平野、筑紫平野を中心とした九州中北部に分布していた。
■ しかし、近縁種タイリクバラタナゴの侵入や河川開発、水質悪化といった環境悪化により、地域によってほぼ全滅ないし分布は確実に縮小しつつある。
■ 2010年度調査で奈良の個体群は300個体程度にまで激減している
(環境省、奈良県HPから抜粋・要約)
