若宮建昭 理工学部教授 平成21年度日本ペプチド学会賞受賞
本学理工学部理学科の若宮建昭教授が、日本ペプチド学会賞を受賞し、第46回ペプチド討論会の会期中の11月5日に授賞式が、6日には受賞記念講演が行われました。
これは、日本ペプチド学会がわが国におけるペプチド研究の進歩、発展に貢献した研究者の功績を顕彰するために制定したもの。受賞となった研究題目は「特異な構造を有するアミノ酸・ペプチドの有機化学およびケミカルバイオロジーを指向した研究」で、若宮教授が新しい合成方法など世界初の研究成果を多く輩出してきたことが高く評価されての受賞となりました。
<研究概略>
「特異な構造を有するアミノ酸・ペプチドの有機化学およびケミカルバイオロジーを指向した研究」
理工学部理学科 若宮建昭
タンパク質がヒトをはじめとする多くの生命体にとって、それらの生命活動に無くてはならないものの一つであることは、良く知られています。タンパク質は、アミノ酸という小さな化合物が何百個とつながった巨大な分子です。ところが、その基本となるアミノ酸はたった20種類しかないのですが、それらがいろいろ組み合わさってタンパク質となるのです。
それでは、この1個のアミノ酸は何も役に立たないのかといいますと、実はそれはそれで大切な役割をしていることが、これまでに明らかにされています。最も良く知られているのは味の素ですが、これもアミノ酸の一種です。また、最近のスポーツ飲料には、いくつかのアミノ酸を混ぜ合わせて、燃焼系や疲労回復系などと宣伝されているものもあります。
アミノ酸が2個以上100個程度つながったものをペプチドと呼びますが、アミノ酸やペプチドもタンパク質と同じように、われわれの健康を守り、命を支える大切な働きをしているのです。ペプチド学会は、このようなアミノ酸・ペプチド・タンパク質のサイエンス(科学)に興味を持った、化学、薬学、医学にいたる広い分野の研究者で構成されており、世界各国のペプチド学会で組織・運営される国際的な活動も活発に行われています。
先に、タンパク質を作り上げているアミノ酸は20種類といいましたが、自然界にはそれ以外のアミノ酸(特異アミノ酸あるいは異常アミノ酸と称します)が極めて多数存在していて、それら自身、またそれらを含むペプチドが、生命の維持に重要な役割を果たしていることも明らかにされています。このような特異アミノ酸やそれを含むペプチドは、有機化学的な研究材料として、また、新しい医薬品などの開発につながるものとして興味が持たれています。私の研究もこのような観点から、ペプチド抗生物質、グルタミン酸による神経情報伝達機構の解明、ガンの診断と治療に役立つアミノ酸、ペプチドの脳への輸送など、生命科学との接点を念頭において進められたものであります。
