"医学部附属病院 高度先端総合医療センター"「ゼヴァリンRI標識抗体療法」で近畿最多の14件を実施「ストロンチウム89」でも西日本最多の36件[アイソトープ治療 ― 認可以来の累計実績]
近畿大学医学部附属病院(大阪府大阪狭山市、病院長:工藤正俊)の高度先端総合医療センターは、2008年1月に国内で認可、8月末から実施可能となった悪性リンパ腫の最新治療法「ゼヴァリンによるRI(放射性同位元素=アイソトープ)標識抗体療法」について、同院血液内科と共同して2009年7月14日までに14件※1 の治療を行いました。同治療法は、注射薬「ゼヴァリン」(一般名:イブリツモマブチウキセタン)に含まれる放射性物質「イットリウム90」が体内で放射線を発し、がん細胞を破壊する仕組みで、ゆるやかに進行するB細胞性悪性リンパ腫に対し、従来の抗体治療、抗がん剤治療と比べ、高い治療効果が期待されています。
また、同じアイソトープ治療の分野で、2007年7月に国内で認可された、放射性薬剤「ストロンチウム89」を用い、骨に転移したがんの痛みを和らげる療法でも、同センターでは、治療が可能になってから2009年3月末まで、36件※2 の治療を実施しました。同治療法は、骨内に吸収されたストロンチウム89から出る放射線が、がんの転移部に当たり、痛みを弱める仕組みで、従来から使われている鎮痛薬のモルヒネより効果の持続が格段に長く、1回の投与で3〜6カ月程度効果が続くことが特長。がん患者にとって重い苦しみである「痛み」の緩和に大きく寄与しています。
いずれも公式な統計はありませんが、近畿大学が関係機関に照会して調べたところ、国内で治療が可能になってからの累計で、ゼヴァリンによるアイソトープ治療の同期間での治療実績では、近畿大学医学部附属病院が近畿地方の医療機関で最多となりました。また、ストロンチウム89を用いた治療でも、西日本で最多となりました。
近畿大学医学部附属病院高度先端総合医療センターでは、これらのアイソトープ治療のほかにも、PET(陽電子断層撮影)によるがん早期診断システムを2005年10月に大阪南部で初めて導入するなど、放射性薬剤を用いた診断から治療までを、総合的に行っています。
また、外科手術、化学療法、放射線治療など、がん治療の分野で国内トップクラスの水準を誇る近畿大学医学部附属病院と直結し、密接に連携していることで、より精度の高い診断や治療が可能になります。
さらに、近畿大学は国内の私立大学で唯一、原子炉(研究用)を保有しており、PET施設の設計・運営では、同センターが学内の原子力研究所や薬学部と連携し、高度なノウハウを導入しています。
同センターの細野眞教授は「アイソトープ治療はがん治療の柱の一つとして注目されており、当センターは熟練した医師・スタッフを持って国内で有数の実績を挙げるとともに、アイソトープ治療発展のイニシアチブを取っています」と語っています。 同センターでは、これらの利点を生かし、今後も、がん治療・診断の分野で普及が望まれるアイソトープ治療・診断に、さらに注力していく方針です。
※1: 2009年7月14日現在 ※2: 2009年3月31日現在/「近畿最多」「西日本最多」は近畿大学調べ
<参考資料>
■近畿大学医学部 ホームページ:
http://www.med.kindai.ac.jp/
■近畿大学医学部附属病院 高度先端総合医療センター ホームページ:
http://www.med.kindai.ac.jp/huzoku/pet/
