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近畿大学と三菱重工業 石炭コークス代替高硬度バイオ燃料、量産機開発へ 世界初、飲料原料の「かす」をコークス代替燃料化

 近畿大学(本部:大阪府東大阪市、理事長:世耕弘昭)が、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO=略称)の助成事業「大学発事業創出実用化研究開発事業」に申請していた「鋳造コークス代替となる高硬度固形バイオ燃料の量産機開発と実証」が、このほど、助成金交付対象として採択されました。

 これは、現在、飲料工場で大量に廃棄処分されているコーヒーや茶葉の「かす」を原料として、製鉄や鋳造の工程に使用できる植物由来固形燃料(以下:「バイオコークス」)を量産するための装置開発と、その実用化に向けた実証実験を行う事業です。
固体化石燃料である石炭コークスを大量に消費する鉄鋼・鋳物業界では、温室効果ガスの排出や輸入価格高騰によるコスト増という問題を抱えています。一方、飲料メーカーでは、大量に発生するコーヒーかすや茶かす、果物など植物の絞りかすを廃棄するため、大きなコストを強いられています。バイオコークスの実用化は、これら双方のニーズを満たし、地球温暖化防止や資源リサイクルにも大きく寄与します。
近畿大学では、量産装置の開発を担う三菱重工業株式会社(本社:東京都港区、以下:三菱重工業)とともに、2009年度の実用化を目指し、研究開発を進めていきます。

 近畿大学では、すでに、産学連携機関「大阪TLO」を介して、バイオコークス製造技術に関する特許を出願しており、理工学部機械工学科の井田民男講師が、直径50?程度(円筒形)のバイオコークスを製造できる試験機を完成させています。これにより製造されたバイオコークスは、小型鋳造炉での実証実験で、燃料として、石炭コークスの20%を代替できることが確認されています。

 今回、採択された事業は、大型鋳造炉で追い込み用コークスの一部を代替し、燃料として使用できるバイオコークスを製造する大型量産機を開発するとともに、安定した品質を維持できる形成技術を確立することが目的です。また、実際に稼動している大型鋳造炉を用いた実証試験も行い、大型鋳造炉においても石炭コークスの20%を代替できることを目標に開発を進めます。
バイオコークスは、原料として光合成由来のバイオマス(生物資源)すべてを対象としているため、飲料や食品をはじめとする製造現場で日々、大量に排出されている、さまざまな植物性の廃棄物を有効活用できます。また、製造後の廃棄物がゼロという「環境にやさしい」利点があります。

 石炭コークスの代替となるバイオコークスには、用途に応じた硬度と燃焼特性が必要で、これを製造するポイントは、圧力や温度などの加圧環境にあります。近畿大学の井田講師は、この分野で実証実験を繰り返し、装置開発を担う三菱重工業とともに、実用に耐えるバイオコークスの製造技術を確立しています。これは現在、国内のみならず世界においても、他に例がない、唯一の技術となっています。
井田講師らが製造したバイオコークスには、比重が1.4に近く、最高圧縮強度100Mpa(メガパスカル)を超える、きわめて硬い(高硬度)特性があります。鉄が溶解する炉内でも、簡単には崩壊しないようにするためです。この高硬度を実現するため、バイオコークス製造において、?「半炭化前反応」(炭化・ガス化を生じる前の現象)を駆使 ?「ヘミセルロース」(光合成が生み出す成分の1つ)のみを熱分解 ?「リグニン」(同)を同時に反応させる――という、井田講師らが新たに発見した形成原理を用いています<図2>。

 石炭コークスは、国内で年間約5000万トンが、鋳造炉や高炉などに使用されています。この20%をバイオコークスで代替できれば、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を大幅削減できるほか、「もの造り」の基盤エネルギーを化石資源から再生可能資源に転換することで、輸入に頼らない国産の1次エネルギーを確保し、循環型社会の実現にも大きく寄与します。また、関連企業にとっては環境・社会貢献による企業価値向上の効果が見込めます。さらに、この技術と装置を世界へ広めていくことで、日本発の国際貢献にもつながります。
わが国では現在、国家プロジェクト「バイオマス・ニッポン」のもと、バイオマスの有効利用技術としてエタノール化による石油代替や、メタンガス化による発電などの技術開発が進められています。バイオコークスは、鉄鋼分野などで大量に消費されている石炭コークスの代替となる点で、バイオマス利用に新たな可能性を切り開くことが期待されます。 

 近畿大学の井田民男講師は「今後、この産学連携をさらに深め、地球環境保護などの社会貢献に寄与していきたい」と話しています。

【参考資料】

 

<図1> バイオコークスが石炭コークスを代替できる分野

 

<図2> 原料からバイオコークスに至る形成過程とその特徴

 

<写真> コーヒーの「かす」と、それから作られたバイオコークス(直径50?)

<参考情報>

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近畿大学理工学部 文部科学省「ものづくり技術者育成支援事業」に採択

 文部科学省「ものづくり技術者育成支援事業」に本学から申請した理工学部の取り組みが採択されました。(2007年9月7日)

 「ものづくり技術者育成支援事業」は地域や産業界と連携した実験・実習と講義の有機的な組み合わせによる教育プログラムの開発・実施を通じ、ものづくり分野を革新させる高度な知識及び確かな技術を併せ持ち、ものづくり過程の全体を見渡し技術の目利きをすることのできるものづくり技術者を育成することを目的としています。
 「ものづくり技術者育成支援事業」では、ものづくり技術者の育成を図る優れた教育プログラムの開発を文部科学省が大学等に委託します。
  今年度は全国の大学等から79件の応募があり、そのうち12件が選定されています。

近畿大学理工学部からは「東大阪モノづくり技術者育成プロジェクト」(取組代表者:宗像 惠 学部長・副学長、取組担当者:沖幸男・理工学部教授)を申請し、採択されました。

取り組みの概要;
「学生‐教員‐企業技術者が三位一体となった産学連携(人材育成の産学連携)によって、モノづくり技術を修得し、革新的新技術を開発することのできる、実社会と乖離しない技術者を育成するプログラムを構築する。近畿大学独自の人的資源であるシニアサイエンティスト・シニアエンジニアおよび東大阪モノづくり専攻の大学院生も参画し、多様な価値観をもった複数の人間が人材育成に関与することにより学生の俯瞰的能力を養う。」

東大阪モノづくり専攻ホームページ→

<参考>文部科学省ものづくり技術者育成支援事業→

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