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近畿大学、人工孵化の「近大マグロ」を海外へ初出荷天然資源保護と安全、高品質――米国市場へアピール

  近畿大学発のベンチャー企業「アーマリン近大」(本社:和歌山県白浜町)は4月11日(水)、近畿大学水産研究所奄美実験場(鹿児島県瀬戸内町)で人工孵化によって生まれ、成魚まで育てられたクロマグロを、米国へ出荷しました。日本の養殖施設で卵から育てたクロマグロが海外へ販売されるのは、今回が初めてとなります。背景には、クロマグロの資源減少が地球規模の問題となる中、天然資源を損なわずに高い安全性と品質を実現している「近大マグロ」への関心が、米国市場でも高まっていることがあります。

  出荷されたクロマグロは2尾で、いずれも体長約1.5m、体重約70kg。2004年に奄美実験場で人口孵化によって生まれました。4月9日に水揚げされ、同11日に成田空港からロサンゼルスへと搬送。米国到着後は、カリフォルニア州のNNPR社へ販売されます。同社は、「アーマリン近大」が昨年末、海外に養殖技術を販売するため代理店契約を締結した会社です。
  NNPR社は、ロサンゼルスなどの高級日本料理店向けにマグロの卸売りをしており、近畿大学水産研究所から出荷されるクロマグロを「Kindai Bluefin Tuna」(近大クロマグロ)と名付け、高級ブランドとして米国内で販売していく予定です。

  近畿大学水産研究所の養殖クロマグロが海外へ販売されたのは、天然の幼魚(ヨコワ)から育てた成魚1尾を2004年に米国(ハワイ)へ出荷したケースが1件ありますが、卵から育てた、人工孵化による成魚では今回が初めてです。
  卵から育てた成魚がさらに産卵するというサイクルは完全養殖と呼ばれ、クロマグロにおけるこの技術は現在、世界でも近畿大学水産研究所のみが確立。クロマグロの資源枯渇が問題視される中、近畿大学の養殖技術は、天然資源を損なわず、高い安全性と品質を実現できる点で、世界から注目を集めています。
  人工孵化から育てたクロマグロは養殖施設内だけで生育し、近畿大学の養殖ノウハウが100%反映されるため、安全や品質管理において、より高いレベルが実現できます。
  米国では近年、高級日本料理店などで、大トロなどのマグロが急速に普及。料理店同士の差別化競争も激化しています。今回、人工孵化クロマグロの海外出荷が初めて実現したのも、「天然資源保護」「食の安全」「美味」という「近大マグロ」ならではの特長が、米国市場で高く評価されたためといえます。

  「アーマリン近大」では今後、海外への養殖技術の販売と合わせ、こうした高級クロマグロ市場の開拓にも取り組んでいく考えです。

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