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薬学総合研究所 森川敏生 講師 日本生薬学会から学術奨励賞を受賞

 薬学総合研究所・食品薬学研究室の森川敏生講師は、このほど日本生薬学会から学術奨励賞を受賞した。

 同賞は、原則として40歳未満の同会会員で、生薬およびこれに関連する領域で顕著な学術上の業績があり、将来の発展が期待される研究者に授与されるもので、今回は2005年9月16日、17日に開催された日本生薬学会第52回年会(北陸大学薬学部)の会期中、表彰式および受賞講演が行われた。

 森川講師が受賞した研究は、「薬用食品の機能性開拓を志向した探索研究-肝保護、抗糖尿病および抗アレルギー作用成分-」で、薬用食品、すなわち世界各地で生薬や民間薬など薬用に供される一方、食材や香辛料、ハーブなど食用としても用いられる天然素材に、肝保護、抗糖尿病および抗アレルギー作用を見いだし、マテリアルサイエンスの視点からそれらの活性成分を探索したもの。

 今回、肝保護作用シーズとして見いだしたショウガ科植物のガジュツは、日本薬局方収載生薬でもあり、また最近はムラサキウコンなどとも称され、サプリメントとしても広く用いられている薬用食品素材である。森川講師は、このガジュツエキスが持つ免疫系を介した肝障害モデルであるD-ガラクトサミン/リポ多糖誘発肝障害に対する強い保護作用を見いだし、含有セスキテルペン成分がその活性成分であることを明らかにした。

 さらに、アーユルヴェーダにおいて、糖尿病の予防や初期症状の改善に茶剤などとして用いられている、サラシア・レティキュラータの抗糖尿病作用を科学的に証明し、その作用点が小腸における糖質加水分解酵素(α-グルコシダーゼ)阻害活性であることを発見した。活性を指標に成分探索を進め、活性成分としてチオ糖スルホニウム硫酸分子内塩構造を有する新奇な骨格を有するサラシノールなどを単離・構造決定し、市販医薬品であるα-グルコシダーゼ阻害剤に匹敵する活性強度を有することを見いだした。

 また、タイ料理のトムヤンクンに用いる香辛料であるアルピニア・ガランガに、抗I型アレルギー作用を見いだし、その活性成分がフェニルプロパノイドの1'S-1'-アセトキシチャビコールアセテートなどであることを明らかにした。またフェニルプロパノイドの各種類縁体を合成し、同様にスクリーニングすることで、抗アレルギー作用に対する構造活性相関や活性発現の必須構造などを明らかにした。

 

森川敏生講師プロフィール

1972年生まれ。2001年3月京都薬科大学大学院薬学研究科博士後期課程中退。同年4月から京都薬科大学助手を経て2005年4月から現職。薬学博士。

専門は天然物化学、生薬学、食品薬学。

2001年天然有機化合物討論会奨励賞受賞。

2005年度ファルマシアトピックス専門小委員。

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