概要

設置の趣旨および必要性

国際化の時代を迎え、複雑化・多様化した今日の社会において、各種法的問題を「法の支配」の理念に基づき迅速かつ適切に処理するための社会的基盤の整備が求められています。今般の司法制度改革は、人的基盤の拡充、制度的基盤の整備、国民的基盤の確立をめざして、司法制度整備に関する諸課題を明らかにしています。法科大学院構想は、これら諸課題の根底にある基盤整備にかかわり、「法の支配」が貫徹された公正な社会を実現するための担い手である法曹を養成しようとする国家的な一大事業であります。かかる21世紀の司法を担う法曹には、その基本的資質として、豊かな人間性や感受性、幅広い教養と専門的知識、柔軟な思考力、説得・交渉の能力等と、さらに、社会や人間関係に対する洞察力、人権感覚、先端的法分野の知見、外国法の知見、国際的視野、語学力等が要求されます。
本法科大学院の設置は、このような国家的事業の一翼を担おうとするものであるとともに、本学の建学精神および教育理念を尊重しつつ、広い教養と良識、また、健全な市民感覚とグローバルで多角的な視座をもち、チャレンジ精神旺盛な法曹を養成することを、その基本理念および目的とします。これらを実現するために、本法科大学院は、法学教育に関する伝統的資産を活用して、社会の要請に応える新たな実学重視の教育を行い、21世紀の市民社会に貢献しようとするものであります。

教育上の理念・目的

本学の建学の精神は、「実学教育」と「人格の陶冶」であり、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人を育成すること」を教育の目的としています。
本法科大学院もまた、この建学精神および教育理念を尊重しつつ、頼りがいのある法曹を育成することを基本理念とします。

(1)実学重視の伝統を生かした法学教育

大正14(1925)年に設立された大阪専門学校法律科・商科・政治科を母体として、昭和25(1950)年の法学部(法律学科)設置および昭和40(1965)年の経営法学科設置以降、大学院法学研究科設置、国家試験研修所開設、法廷教室開設、裁判実務演習開講に加え、産業・法律情報研究所などの専門研究機関の開設、本学法学部学生の課外活動の一環としての法学実務研究会、新経営法学研究会、知的所有権法研究会、公共政策研究会に対する本学法学部の支援体制の整備等にみられるように、本学法学部は、職業生活や日常の暮らしに役立つ「生きた」法的知識を習得させるようにつとめています。

 本法科大学院は、こうした伝統を引き継ぎながら、時代の要請に応える新たな「実学重視」の法学教育をめざします。

(2)本学法学部における教育資産の活用

本学法学部は、法律学科と経営法学科の2学科に、それぞれ2コースを設置し、実社会の需要に応じた法律専門職や法的素養を備えた社会人等の養成をめざした学部教育の充実をはかってきました。平成16年度からは、経営法学科の名称を政策法学科に変更しました。さらに、全国的にも数少ない法廷教室の設置や国家試験研修所(司法試験部門・公務員試験部門)開設など、法律関係職への動機付けと志望者支援の施設整備も行ってきました。本法科大学院は、これらの豊かな制度的資産、教育的ノウ・ハウを引き継ぎつつ、新たな法曹教育をめざそうとするものであります。

教育方針

アドミッションポリシー

本法科大学院は、近畿大学の「実学教育」と「人格の陶冶」という建学の精神、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人を育成すること」という教育の目的に理解を示し、頼りがいのある法曹になる志を有する人を求めます。
本法科大学院の入学者選抜にあたっては、公平性、開放性、多様性を旨とし、多様なバックグラウンドを持ち、良き法曹となる資質を有する学生を広く受け入れます。

  • 1.公平性を確保するために、本学出身者枠を設けるなどの優遇措置はいっさい講じず、志願者をすべて公平に扱います。
  • 2.開放性、多様性を確保するために、学部段階での専門分野を問わず、多様なバックグラウンドを有する者を受け入れることとし、社会人や非法学部出身者にも広く門戸を開放します。
カリキュラムポリシー
  • 1.「実学教育と人格の陶冶」という近畿大学の建学の精神、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人を育成すること」という教育の目的を踏まえ、この建学精神および教育の目的を尊重しつつ、頼りがいのある法曹を育成することを基本理念とします。
  • 2.少人数教育を徹底して、学生の実力やニーズに応じたきめ細かで良質な教育を提供します。基礎の講義科目から「演習科目」「総合演習」へと基本を重視しながら段階を踏んだ学習が可能となるように科目を配置します。
  • 3.時代の要請に応える新たな「実学重視」の法学教育をめざします。理論と実務の架橋を重視しながら、実務の基礎を学び、現実に生起しうる法的問題に的確に対応できる総合的な法的能力を養います。
ディプロマポリシー

本学が掲げる建学精神および教育目的を尊重しつつ、頼りがいのある法曹を養成するという本法科大学院の基本理念に則って、高度な専門的知識や柔軟な思考力を有し、高い倫理的責任感を備えていると判断される者には、以下の判断基準で、法務博士(専門職)の学位を授与します。

  • 1.法曹としての幅広い教養、法に関する高度な専門的知識、柔軟な思考力、説得・交渉の能力を身につけていること。
  • 2.法曹に求められる豊かな人間性や感受性、高い倫理観、鋭敏な人権感覚、健全な市民感覚、グローバルで多角的な視座を身につけていること。
  • 3.所定の年限以上在学し、本法科大学院がその基本理念に基づいて設定した所定のカリキュラムによる教育を受け、修了に必要な所定の単位を修得していること。