教員紹介
森山 智浩(もりやま ともひろ)

- 専門分野
- 認知言語学・法言語学・言語文化教育
- 研究中のテーマ
- 言語側面から見た脳科学の研究成果を英語教育に導入する論理と有用性を研究。言語学を通して法律英語の研究も進めている。ルーマニア国「人間と社会」国際教育共同研究に選抜。日本の高等教育(英語教育)担当。
- 最終学歴
- 京都外国語大学大学院博士後期課程外国語学研究科異言語・文化専攻修了
- 一言アドバイス
- 言語の基底には文化が存在しています。そこには、人間の日常生活から得られた「ありのままの哲学(Philosophy in the Flesh)」が生きています。このような言語文化に触れ、外国語母語話者の直観を手に入れましょう。
- 推薦するこの一冊
- 渡辺昇一『知的生活の方法』(1976年、講談社)
- 趣味
- ピアノ/電子オルガン演奏、合気道
最近の研究業績
- 近畿大学文芸学部論集『文学・芸術・文化』(第23巻(第2号)「ルーマニア語前置詞cuと英語前置詞withとの概念比較研究 ― 認知言語学と言語文化のインターフェイス ― 」
- 『教養・外国語教育センター紀要 外国語編』2巻2号 食人文化と人間の認識 ― 日本語・英語・スペイン語・ルーマニア語カニバリズム表現におけるジェンダー言語態への認知言語学的アプローチ ―
- 『教養・外国語教育センター紀要 外国語編』2巻1号〈論文〉時の世界と人間の認識--英語・スペイン語・ルーマニア語 時間表現への認知言語学的アプローチ
- 研究論叢第78号「異言語教育と言語文化(その3) ― 応用言語学・法言語教育・言語文化教育の学際的観点から ―」
- 近畿大学文芸学部論集『文学・芸術・文化』第23巻第1号「ルーマニア語前置詞prinと英語諸前置詞との概念比較研究 ― 認知言語学と言語文化のインターフェイス―」
- Omul şi Societatea(Anul II, Nr. 3)(英語訳:Man and Society, the second year of the International Scientific Project, Nr. 3)"A Cognitive Study of English Education through Cultural Frame ― from a Comparative Perspective with Japanese Identity"(PDF;3.7MB)
- 「国際科学プロジェクト(Scientific Project, International Session of Scientific Communication, the 3rd session)」(PDF; 609KB)
- Omul şi Societatea (英語訳:The Human and The Society) “A Cognitive Teaching Way of English for Japanese Students - Through the Concepts of English Prepositions-”(PDF;1.9MB)
- 『近畿大学法学』第58巻第2・3号〔論説〕レイコフとバタイユの視座における「自殺と反道徳性」の研究
―法言語学と法社会学による学際的アプローチ―
講習・演習・試験 ─受け方のポイント─
講義
「法学部」は英語で‘Faculty of Law’と言いますが、‘law’(法律)の原義は‘lie’(横たわっている)でした。そこには「すでに世の中に横たわっていた(=存在していた)神の創造物→それを人間が発見したモノ」が「法」とするキリスト教観が生きています。このように、いかなる語・句・文であっても、そこには実際に生きた人々の思想や行動様式が刻み込まれています。こうした「言語文化」を学ぶことは、確かな論理で言語を運用する力が養われるだけでなく、そのネイティブの言語観をも手にすることができます。
例えば、陪審員室での激論を描いた映画12 Angry Men(『十二人の怒れる男』)の中に、次のセリフが出てきます。
Juror, No. 7: “This isn’t Sunday.” <00:14:49>
これは、差別主義者の陪審員の発言を聴いた老人の陪審員が「真実とは何か」について示唆したところ、別の陪審員が口を挟んだシーンです。しかし、直訳のままでは意味がわかりません。言葉の背後に広がる「言語文化」を知ることなしに、高い次元でのコミュニケーションを図ることができない一例です。
もう少し詳しく見ましょう。聖書の創世記1:1では、神は6日間で宇宙万物を創造し、 7日目を安息日としました。これを‘the Seventh Day’と呼び、本来は土曜日を指します。ただ、その次の曜日にキリストが復活したことから、キリスト教では「日曜日」を安息日(Sabbath)とし、教会で聖書を読んだり、有難いお説教を賜ったりします。こうしたフレームが背後にあって、上記のセリフは「今日は説教を聞かされる日じゃないぞ」と解釈されるわけです。
このように、「言語文化」を活用した学習方法は語彙や構文の意味のメカニズムを理解し、コンテキストに応じた活用能力を育くみます。そこで、私の担当科目ではまず、
(1)英語の「言語文化」・ネイティブの大脳内の「直観;イメージ」
を利用して語彙・構文の概念的捉え方を学びます。ここでは「なぜ、そんな意味を表すの?/使われ方をするの?」という「好奇心」を持つことが重要です。そのために、ペアワークや発表の場を取り入れ、活発に意見交換を行う場を設定します。次に、
(2)学習した「イメージ」の活用
を行うことによって四技能の育成を図ります。言葉というものは必ずその前後にコンテキストが存在するわけですから、種々の映画の様々な場面も利用し、学習内容の定着を図ります。
研究演習
高等教育でゼミほど他者の意見を聞き、自己の主張を展開する貴重な機会はないと考えています。したがって、外国語母語話者の認識・文化がいかに言語に反映されているかについて、活発に意見を交換する姿勢が求められます。必然的に問題解決の論理的な提示方法も学ぶことになります。
試験
小テスト・学期末試験を実施し、学習内容の定着度及びそれに基づく適切な語用力を確認します。そのために、論述形式の設問も交え、学習内容を発展させた意見を展開する機会も設ける予定です
参考書
- 森山智浩・髙橋紀穂・福森雅史・田保顕・藤原真名夫・カール ノーメンセン・森山オアナ『FD改革下における語学教員への7人の新提案 -認知言語学・教育学・社会学・心理学・言語文化学の学際的観点から-』(2009、星雲社)
― 高等教育で語学を学ぶ意義を見つめることができます。 - 池上嘉彦『<英文法>を考える』(1991、筑摩書房)
― 既成概念とは一線を画する適切な文法観が身につきます。 - 上野義和・森山智浩・福森雅史・李潤玉『英語教師のための効果的語彙指導法 -認知言語学的アプローチ-』(2006、英宝社)
― 語彙の概念を体系的に理解し、それを実践活用する力が養われます。

