教育・カリキュラム

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論文の書き方

ひとくちに論文といっても、卒業論文、懸賞論文、大学院の修士論文、専門の学者による学術論文などさまざまなタイプのものがあります。 ここでは、社会科学系の学生・院生が憲法・民法・刑法などのいわゆる実定法上のテーマについて論じる場合の留意点をいくつか指摘することとします。 その内容の多くは、法哲学・法史学等の基礎法学はもちろん、政治学・経済学・社会学等に関する論文を書く場合にもあてはまるものと思われます。

論文の書き方

1.論文作成の準備

よい論文を書くには、事前の十分な準備が不可欠です。天才の芸術作品のように、ある日机に向かってスラスラと書き始めるというわけにはいきません。 まず、ふだんから優れた学者の著書・論文や先輩や友人が苦労して書いたものに目を通し、論文とはどういうものか、 どういう論文が人に強い印象を与え説得力をもっているか等についてある程度の予備知識をもっていることが必要です。 他人の論文をよく読んでいれば、書き方の形式についての慣行などもおのずと身につくものです。
いよいよ自分で論文を書く場合には、そのための資料の収集・整理・検討に多くの労力と時間を割かなければなりません。 法令や判例の検索に見落しがないか、体系書・参考書・雑誌論文等を読み較べて、 学説の流れや現状をどう把握するか等は論文の出来栄えに大きく影響する勝負所といえましょう。 学生の場合、外国文献に直接当たっての比較法的研究や、みずから実施した社会的事実の調査などは、高く評価されることが多いでしょう。
このような準備段階での努力の内容が論文の価値の大半を左右するのですが、 その成果を少しでも効率的に表現するためには、論文作成の技術ももちろん大きな役割をはたします。

2.問題意識、テーマ

論文は、何について、何のために、どのように論じるのかが、読者に対して明確に示されていなければなりません。 これを最も簡潔に表現するものが標題であります。魅力的な標題は多くの人を惹き付け、内容に目を通してもらうための第一歩です。 小説や映画の標題は、そのために非常な工夫がなされていますが、論文のテーマについても多少はこのような配慮が望まれます。 例えば、「基本的人権について」「所有権制度を論ず」「犯罪と刑罰」というような題では、 あまりにも一般的すぎて論者の執筆の動機もわからず、読者の関心を惹き付けないのが普通でしょう。 ただ、どんなに面白そうな標題をつけても、それが内容と一致していなければ何にもなりません。
テーマが与えられている場合、なぜその題が出されたのか、出題者の意図、狙いをつかむことが大事です。 自分でテーマを選んだ場合には、なぜその問題に興味をもったのか、どのような立場から、何について、どのような手法で論じるのか、 読者に対してどのような効果を狙い、どのような反響を期待しているのか、 自分自身で問題意識をよくとぎすまし、読者にわかりやすく提示する必要があります。

3.構成

試験や短いリポートでは冗長な前置は禁物ですが、大部分の研究論文では、冒頭に「序論」「はじめに」などとして、 そのテーマをとりあげる意義や狙い、内容の概要などを簡潔に述べるのが常識です。特に書き出しの文章には気を使って下さい。 序論部分の巧拙によって、読者をうまく本論へ引っぱっていけるかどうか、勝負の岐れ道です。最終の「結び」「結論」の部分では、 全体の論旨をまとめて要約したり(序論と重複しないように)補充したりするのが普通ですが、 今後の展望などによって発展の可能性を示しておくと、論文全体の価値を引き立てることにもなります。
途中の展開部の組み立ては自由で、立法の経過、学説史、判例の流れ、現在の判例・学説等を整理・分析するわけですが、 論文全体における起承転結などは、執筆に着手する前に十分考慮しておくことが望ましいでしょう。 そのためには、事前にレジュメを作ったり、下書きをする習慣をつけておくとよいでしょう。

4.表現方法(文章・用語)

文学の世界では、あいまいな表現が特に高く評価されることもありますが、法律論文では正確さと明晰さが要求されます。 何を言おうとしているのか、どういう結論へ導こうとしているのかが不明確な文章は困ります。 論理の筋道をはっきりさせるための努力は平常から怠ってはなりません。そのためには、言葉の選択にも敏感であってほしいものです。 特に法律関係の用語には多くの約束事がありますので、細心の注意を払って下さい。 「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」、「看做す」と「推定する」などの使い分けは絶対に間違わないように。 「意思表示」等の「意思」は、現在までのところ「意志」と書くわけにはいきません。 「権原」と「権限」、「保障」「補償」「保証」などは、発音が同じで意味が類似していたり若干重なっているところがあるので、 ふだんから意味の違いをはっきりと意識しながら使って下さい。 また、ある契約が「無効」なのか、「取消せる」のか、「解除できるのか」を混同しないように。 これらは単なる表現の問題ではなく内容の理解にも関連してきます。 文章力を磨き用語法の正確さを確保するためには、論文作成後の推敲が重要なことはいうまでもありません。

5.独創性・客観性・論理性

論文は、自己の研究成果を表現するものですから、どんなに多数の文献や資料に基づいて書かれたものでも、 そこに自分自身の立場や見解が現れていなければなりません。 他人のアイデアや努力を自分の名で使う盗作は学問の世界における最大の犯罪ですが、 丸写しではなくても、他人の仕事を単に縮めたり引伸ばしたりするだけでは大同小異です。 とはいっても、法学の分野では、すでに多数の先人による無数の研究業績が集積されていますから、 百尺竿頭一歩を進めることは、なかなか容易ではありません。 そこで、少なくとも自分が使った資料や典拠をなるべく詳細に引用し、 先人のプライオリティーを尊重するとともに、少しでも自分で考えつく加えた点を明示すべきでしょう。 直接参照できなかった文献等を引用するいわゆる「孫引き」は避け、 やむをえない場合はその旨をはっきりと断らなければなりません。
文献や資料の引用は、内容の客観性を担保するためにも重要な役割をはたします。 独創性と客観性とは両立しうるものであり、さらに論理の一貫性と自己の価値判断に基づく結論の当否の明示が不可欠となります。

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総合資料室(法学部)
場所 18号館4階
開室日時 月曜日から金曜日 (具体的な開室日時等については掲示を見て下さい)。
所蔵資料
  1. 法律関係の雑誌
    • ジュリスト、法律時報、法学教室、法学セミナーなど、市販の定期刊行物および、判例時報、判例タイムズなど、市販の定期判例情報:合計30種類、約4,000冊。
    • 全国の大学の紀要および各学会誌など:バックナンバーを含めて350種類、約4,500冊。
  2. 法規・法令集、判例集、など加除式資料:80種類、約3,500冊。
  3. 最高裁判所判例集など公的判例集。
  4. 各種の辞典・辞書、六法全書など。

以上合計12,000冊以上の資料があります。

利用方法アドバイス
  1. 講義やゼミなどで指示された教科書・参考書は中央図書館4Fの単行書コーナーで見ることができます。
  2. 講義やゼミなどで最新の判例を読むように指示されたときは、中央図書館4Fの雑誌コーナーでさがしてください。 法学教室、法学セミナー、ジュリスト、法律時報の最新刊も同じ場所でさがしてください。
  3. よりくわしい研究のために必要な資料、バックナンバーは総合資料室で検索することをおすすめします。
利用に際しての注意事項
  1. 他人に迷惑をかけないよう、静粛を守って下さい。
  2. 資料収集目的以外での利用は遠慮願います。
  3. 室内での飲食・喫煙は厳禁されています。
  4. 筆記用具・貴重品は各自携帯して下さい。鞄その他の荷物はロッカーに入れて下さい。
  5. 入室者はカウンターに用意されているノートに必要事項を記入して下さい。
  6. 資料室内の資料は全て禁帯出扱いになっています。 必要な部分は資料室のコピー機で複写して下さい(ただし、1枚につき10円の実費を支払って下さい)。
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