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医学研究科

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研究分野

神経構造機能学 (解剖学)

重吉 康史(しげよし やすふみ)

哺乳類の体内時計は殆どの臓器に存在し、その機能を制御しています。教室では行動、睡眠、ホルモンや各臓器の機能のリズムがいかにして体内時計によって制御されているのかを研究の対象としています。個体の死に至るまで続く体内時計の正確な振動がどうして生まれるのか。いかにして、生物時計を環境のリズムに同調させるのか。体内時計がどうして必要なのか。解明すべき多くの謎が残されています。

システム脳科学 (生理学 I )

稲瀨 正彦(いなせ まさひこ)

認知、記憶・学習、運動制御などの高次脳機能を、脳システムレベルで解明する研究を行っています。主に、様々な行動課題を遂行できるように訓練した動物から、神経細胞活動を記録することにより、脳における情報処理機構を解明しようとする実験研究を進めています。このような研究の成果は、患者さんの脳からの信号を解読して、意思を確認したり手足を動かしたりするような、「脳を活かす」研究に活用することもできます。

分子生体制御学 (生理学 II )

松尾 理(まつお おさむ)

当研究室では、線溶系因子および関連生理活性物質の活性発現メカニズムおよび特異的受容体の同定などを線溶系因子の遺伝子欠損マウスなどを用いて解析している(Cardiovascular Res 75:186, 2007)。また細胞機能解析や肝臓の再生メカニズムの解明などを行っている(BBA 1773: 718, 2007)し、研究成果の臨床応用として血栓塞栓性疾患の予防として活用出来る新規物質を探索している(Thrombos Haemostas 97:795, 2007)。

分子腫瘍病態学 (生化学 I )

西尾 和人(にしお かずと)

分子腫瘍病態学は分子生物学、腫瘍生物学を中心に「がん」の摩訶不思議を解明し、臨床的な診断、治療に対する礎になることを目指して研究しています。基礎研究が中心になりますが、より臨床に近い研究も多数実施しています。

研究テーマは、
  1. 網羅的遺伝子発現解析、CGH、プロテオミクスなどオミックスアプローチによるバイオマーカー探索
  2. チロシンキナーゼ受容体のシグナル伝達機構
  3. 腫瘍特異的新規バイオマーカーの機能解析
  4. 診断・治療への展開
  5. 血管新生等です。

細胞病態制御学 (生化学 II )

宗像 浩(むなかた ひろし)

肺、肝臓、膵臓、皮膚、心臓など各臓器の線維症および動脈硬化、糖尿病の腎臓に見られる基底膜肥厚など線維化に関連した疾患に苦しむ患者の数は増加の一途をたどっています。生化学講座では、臓器線維化の発生機構解明および線維化抑制方法の開発をメインテーマとして、物質レベルから個体レベルまで幅広いアプローチで臨床に役立つ基礎研究を進めています。大学院課程では、線維化に関連する分子を研究する過程において、各種実験手技を習得し、病態を分子レベルで説明する思考・態度を涵養します。
基礎研究を通じて病気を理解し、新たな治療法に結びつくような臨床研究を行うことができる医師が育つことを希望します。

薬物応答制御学 (薬理学)

東野 英明(ひがしの ひであき)

薬理学教室では、かねてより近畿大学が所有する高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて、高血圧症の病態解明と治療の研究を行ってきた。SHRは高血圧症以外に、高代謝状態で、多食、抗肥満、老化促進が観察されるため、それを分子レベルで解明して抗肥満薬物開発に繋げる努力もしている。

SHRを用いた研究としては、
  1. 高血圧関連発現遺伝子産物探索(東野、田渕、Said)、
  2. 食塩が及ぼす発現遺伝子産物の探索(東野、田渕、Said)(科研費対象研究)、
  3. サイアザイドの高血圧ラットへの投与が発現遺伝子産物に与える影響(東野、田渕、大島、Said)(大学院高度化研究補助対象研究)、
  4. 運動が高血圧ラットに与える影響の解析(丹羽、田渕、大島)(科研費対象研究)、
  5. カテキン類のSHRSPに与える影響の解析(田渕)
を実施してきており、NOSやNADPH oxidese、各種フリーラジカルの生体に与える影響を明らかにしてきた。
また、一般薬理学研究としては、
  1. 漢方利水薬のアクアポリン蛋白機能に及ぼす作用(栗田、東野)や、
  2. 脂肪細胞分化を誘導する因子を用いた糖尿病や高血圧症病態の改善(阪上)があり、発展が望める。

病因病態探索学 (病理学)

伊藤 浩行(いとう ひろゆき) 佐藤 隆夫(さとう たかお)

  1. 神経細胞の損傷と修復に関する実験病理学的検索
    人工的脳損傷モデルおよび脳卒中自然発症モデルを用いて、神経細胞傷害発機序および修復・再生の機序を免疫組織化学的・分子生物学的に比較検討している。すでに、損傷モデルと自然発症モデルの病態の相違やケモカインの関与、神経細胞の再生現象などを明らかにしている。
  2. 脂肪組織におけるrenin-angiotensin 系の役割に関する実験病理学的検索
    やせ型の重症高血圧ラット(SHRSP)と肥満型重症高血圧ラット(SHRSP/ZF)を用いて脂肪細胞の機能と高血圧性血管病変発生との関連を比較検討している。すでに高血圧ラットの脂肪細胞では正常血圧では見られない蛋白の発現が見られること、血中adiponectin の量的・質的異常が見られることなどを明らかにしている。

細胞機能制御学 (細菌学)

義江 修(よしえ おさむ)

生体は病原体の侵入に対して炎症反応と免疫応答を起こします。炎症反応にはおもに好中球や単球の組織浸潤がともないます。また免疫応答には体内を循環するリンパ球と組織中の抗原提示細胞との相互作用が重要な役割を演じます。このような白血球の組織浸潤やリンパ球の体内循環にはケモカインと総称される一群の分泌タンパク(サイトカイン)が重要な役割を果たしています。ヒトでは40種以上のケモカインが知られています。またケモカインの作用は一群の7回膜貫通型受容体により細胞内に伝えられます。ヒトでは18種のケモカイン受容体が知られています。我々の研究室ではケモカイン系の生理的な機能や各種疾患における役割を各種培養細胞、動物モデル、臨床検体などを用いて研究しています。それによってケモカイン系を標的とした新たな診断・治療法の開発を目指しています。また白血病やリンパ腫などといった腫瘍化した細胞でのケモカイン産生やケモカイン受容体発現を明らかにすることにより、悪性腫瘍におけるケモカイン系の役割も研究しています。それによって悪性腫瘍においても新たな診断・治療標的としての可能性を追求しています。

免疫応答制御学 (免疫学)

宮澤 正顯(みやざわ まさあき)

動物は進化の過程でウイルス感染抵抗性を獲得してきた。チンパンジーは過去にサルエイズウイルスの蔓延により絶滅に瀕し、現存する個体はサルエイズ抵抗性を獲得している。このような自然抵抗性のしくみを解明すれば、有効な感染防御法に結び付くはずである。我々はエイズを中心とするレトロウイルス感染症に対する宿主抵抗性因子を分子同定し、その作用機序を明らかにしてきた。その成果はJ. Exp. Med., J. Virol., AIDSなど一流誌に連続して発表され、イタリア・タイ・南アフリカなどとの国際共同研究も活発である。

環境医学・行動科学 (衛生学)

奥村 二郎(おくむら じろう)

環境医学・行動科学教室は、2007年4月に近畿大学医学部に新設された教室です。教室員は、それぞれに専門分野を携え、全員新規に学外から採用された、希望に燃える研究者集団です。また、半数は臨床医学出身で、臨床での経験を積みながらの研究活動も可能です。
専攻分野は、一つに、有害物質の健康影響(リスク)評価で、リスクコミュニケーション、環境・衛生行政の施策評価まで、二つ目に、行動科学で、生活習慣などに対する行動変容、医学教育、その他、生物統計、研究・臨床倫理が専攻出来ます。

疫学・健康科学 (公衆衛生学)

伊木 雅之(いき まさゆき)

当専攻分野は、疫学の手法を駆使し、疾病のリスク要因の解明からそれを利用した疾病予防、さらには健康増進、ヘルスプロモーションの立案と評価まで、幅広い守備範囲を持ちます。しかし、得意なのは臨床に近い疫学で、臨床医が自らの問題を解決するために行う臨床研究もサポートします。現在、特に力を入れているのは骨折・骨粗鬆症予防で、遺伝子解析から行政的対策までをカバーしており、この分野のトップランナーの1つです。学位に加えて日本産業衛生学会認定専門医の受験資格を獲得することも可能です。

法医学 (法医学)

巽 信二(たつみ しんじ)

法医学は基礎医学ではなく、幅広い臨床的社会的検証医学です。
よって、臨床実地に携わる大学院学生に対して必要な、法医学的思考の教育に主眼をおき、研究をおこなっております。

当専攻分野では4名のスタッフにより年間200件以上の司法解剖を滞りなく実施しております。興味のある方は門をたたいて下さい。

医学物理学 (新設)

西村 恭昌(にしむら やすまさ) 田村 昌也(たむら まさや)

ガンプロフェッショナル養成プランに採用され、大学院に医学物理学コースが新たにできた。専任講師が配属され、放射線腫瘍学講座と協力して、高精度放射線治療の確立に向けた医学物理的研究を行う。医学物理学教育カリキュラムガイドライン(案)にそった講義・実習を必須科目とし、放射線治療計画や品質管理の実習を受けながら、臨床に即した研究を行い、医学物理士の受験資格と学位(博士)の取得を目指す。

循環器内科学 (循環器内科学)

宮崎 俊一(みやざき しゅんいち)

循環器内科は循環器領域のあらゆる疾患を網羅しています。とくに狭心症や心筋梗塞のカテーテル治療および臨床的研究をはじめとして、心エコー法を用いて心不全の病態を解明する研究や不整脈の薬物治療およびアブレーションやCRT治療を活発におこなっています。

研究面では
  1. 心筋梗塞における二次予防に関する研究、
  2. 虚血性心疾患における冠循環の臨床的研究、
  3. OCTおよび血管内視鏡を用いた冠動脈内粥腫の臨床的研究、
  4. 負荷心エコー法を用いた虚血性心疾患の臨床的研究、
  5. 心不全の機序および治療に関する実験的研究(準備中)、
などが研究内容です。当科は若いスタッフが多く活気のある教室です。

高血圧・加齢病態制御学 (高血圧・老年内科学)

金政 健(かなまさ けん)

高血圧の臨床的研究として、高齢者高血圧コホート研究が、日本動脈硬化予防研究基金助成により多施設臨床研究として行われている。高血圧の実験的研究として、腎微小循環の血管内皮機能に及ぼすアルドステロンの作用とカルシウム拮抗薬の保護作用の解明が行われている。動脈硬化症の研究として、虚血性心疾患における硝酸薬投与方法による内皮機能の検討が行われている。単球接着の細胞内情報伝達系解析と動脈硬化病態生理における意義の解明が進行中である。

内分泌代謝病態制御学(内分泌・代謝・糖尿病内科学)

池上 博司(いけがみ ひろし)

研究テーマ:「各個人の病因・病態・体質に応じたテーラーメイド医療構築へむけての研究」
糖尿病とひとくちに言っても、その成因・病態は不均一です。このため、個々の症例の成因・病態を的確に診断し、最適の治療法を構築する「テーラーメイド医療」が不可欠です。このために疾患の病因・病態を分子レベルで解明し、科学的根拠に基づいた臨床分類とそれに応じた最適療法の構築を進めています。なかでも、疾患の発症・進展において根本に位置する遺伝子の解明に力を入れています。疾患関連遺伝子を明らかにすることにより、ハイリスク患者の予知・予防が可能となるばかりでなく、疾患の発症・進展メカニズムが分子レベルで明らかとなり、分子メカニズムに基づいた根本的予防法・治療法の構築にもつながるからです。

血液・免疫・腎/機能制御学 (血液・腎臓・膠原病内科学)

金丸 昭久(かなまる あきひさ)

本部門は血液学、免疫学、腎臓病学を包括する多岐にわたる分野で、血液領域では白血病など造血器腫瘍の病態を遺伝子レベルで理解し、造血因子、刺激伝達経路、転写因子、細胞周期関連蛋白など細胞増殖機構のいずれに異常が存在するかの解明を、骨髄異形成症候群、成人T細胞性白血病など臨床実例を選択して追求し、臨床応用に値する知見を得ることを目指す。又、腎疾患・膠原病領域では自己免疫現象を根底に発生する腎炎など様々な組織障害の発症機序の解明と、これらを惹起する炎症と線維化の制御法の開発を行うため基礎かつ臨床医学的研究を推進し、いずれの領域でも成果を国際誌に公表してきた。

腫瘍病態制御学 (腫瘍内科学)

中川 和彦(なかがわ かずひこ) 原 聡(はら さとし)

近畿大学は文部科学省「大学教育改革プログラム」のひとつ「がんプロフェッショナル養成プラン」を平成20年度より開講する。「がん薬物療法専門医養成コース」を腫瘍内科専攻が担当する。したがって、近畿大学大学院腫瘍内科学専攻の目指すところは、研究マインドに富んだ有能な腫瘍内科医の育成である。本コース履修中に新しいがん治療の開発に関連したトランスレーショナル研究(基礎的研究)に勤しむことが可能である。

呼吸器・アレルギー病態制御学 (呼吸器・アレルギー内科学)

東田 有智(とうだ ゆうぢ)

呼吸器・アレルギー内科学では、呼吸器疾患およびアレルギー疾患を臨床医学的並びに基礎実験さらには遺伝子解明を行うことによって、それらの病態および発症機序を解明する。また、呼吸器病態、アレルギー病態の基礎を十分理解させ、最新の科学的手法を用いて、さらに他の研究所との連携も保ち、研究指導指導することにより、将来有能な臨床医及び研究者としての能力を養成することを目的としている。

神経病態制御学 (神経内科学)

楠 進(くすのき すすむ)

ギラン・バレー症候群や多発性硬化症などの「自己免疫による神経疾患」および各種の遺伝性神経疾患の病態解明を行っている。とくにギラン・バレー症候群の研究では世界の最先端に位置しており、日本全国から抗ガングリオシド抗体測定の依頼を受けている。また各種動物モデルを用いた治療法開発にも取り組んでいる。テーマにより全国各施設との共同研究も可能である。

消化器病態制御学 (消化器内科学)

工藤 正俊(くどう まさとし)

消化器内科が扱う臓器は食道・胃・小腸・大腸・胆道系といった管腔臓器から肝臓・膵臓といった実質臓器まであり、かなり幅広い疾患が対象である。消化器病態制御学の大学院においてはこのような消化管および肝胆膵領域における臨床的・基礎的研究を行っている。特に肝胆膵領域においては肝細胞癌に対する診断と治療についての臨床研究ならびに基礎研究(肝癌細胞株を用いた分子標的薬のin-vitroおよびin-vivoにおけるシグナル伝達系の解明あるいはトランスジェニックマウスにX遺伝子を発現させB型肝癌の発癌のリスク要因や病態の研究など)を幅広く行っている。膵臓領域では特に超音波内視鏡を使った超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)を用いて得られた検体の遺伝子解析あるいは造影法を駆使した診断法の開発を行っている。食道・胃領域では早期癌に対する粘膜下層切開剥離術および深達度の診断、大腸においては炎症性腸疾患における免疫系サイトカインおよび動態についての研究を行っている。以上のように幅広い臓器を対象に新しい診断法・治療法の開発ならびに病態解明といった臨床研究から基礎研究までの幅広い研究を行っている。

脳心理医学 (精神神経科学)

白川 治(しらかわ おさむ)

我々は、日々の臨床から得られる知見を何よりも重要と考え、精神疾患の新たな診断法の確立、治療法の開発、さらには病態解明に取り組んでいます。臨床からの視点を常に忘れることなく、近年の脳科学研究のめざましい成果を踏まえ、心理社会的視点を織り込んだ独創的かつ実践的な精神科臨床研究を推進し、リサーチマインドを備えた優れた精神科医の養成をめざしています。

発達小児医学 (小児科学)

竹村 司(たけむら つかさ)

先天性、後天性腎疾患の発症・進展のメカニズムを、蛋白レベル、PCR やダイレクトシークエンスを駆使した遺伝子レベルから解析する。また、腎固有の培養細胞を用い、腎・尿細管の発生過程における HB-EGF 成長因子の作用を明らかにし、将来の腎再生医療を目指す。その他、悪性腫瘍や白血病における、幹細胞培養法や臍帯血幹細胞の分離採択法の習得、また川崎病の冠動脈病変を、高精度 3D CT にて解析し、カテーテル検査に代わる非侵襲的診断法などを開発する。

環境皮膚病態学 (皮膚科学)

川田 暁(かわだ あきら)

皮膚科では、光生物学、角化 (表皮細胞の分化)、遺伝子異常、悪性腫瘍、アトピー性皮膚炎などのアレルギー、自己免疫疾患など多彩な研究テーマがあります。どの研究においても、臨床と密接な関連をもった基礎研究をしてもらいます。またそれぞれのテーマは他のテーマとの関連があるため、一度に多くの事を学ぶことができます。学内や学外の多くの基礎の研究室との交流を行っています。またアメリカ、ドイツなどへの留学も積極的に勧めています。

放射線腫瘍学 (放射線医学)

西村 恭昌(にしむら やすまさ) 細野 眞(ほその まこと) 柴田 徹(しばた とおる)

ガンプロフェッショナル養成プランに採用され、放射線腫瘍医養成コースができた。このコースでは、1、2年次に臨床腫瘍学の観点から、放射線腫瘍学総論・実習、放射線生物学、治療計画法演習、腫瘍内科学実習などを学習し、3、4年次には臨床的研究あるいは放射線生物学の基礎研究のいずれかを選択させて、研究課題をあたえる。卒業時には、放射線腫瘍医としての臨床的技能に加え、研究遂行能力が身につく。

放射線診断・画像応用治療学 (放射線医学)

村上 卓道(むらかみ たかみち)

放射線診断・画像応用治療学分野では各種画像診断(CT/MRI/SPECT/PET)及びInterventional Radiologyの診断能・治療効果の向上の為、最適撮像法や画像の解析技術、治療器具に関して、ソフト、ハード両面での基礎的、臨床的研究を国内外の施設・企業と共同で行なっております。大学院では、これらの研究に参加してもらうと共に、基本となる画像診断も学んでいただきます。なお、放射線科専門医取得には、2年間の初期臨床研修終了後、最低5年間の研修が必要となりますが、大学院在学期間も年数にカウントされます。

臨床検査医学 (臨床検査医学)

上硲 俊法(かみさこ としのり)

本専攻の目標は、臨床検査に関する深い知識技能を有する研究者でありgeneral physicianでもある人材の育成にある。この目標の実現のため、大学院在学中には研究に加え臨床検査医学会専門医や内科認定医取得が可能とするプログラムを組み入れている。本専攻での具体的な研究内容は、黄疸の発症機構に関する研究、脂質吸収機構と高脂血症に関する研究、栄養と寿命に関する基礎的研究、疾患と遺伝子多型に関する研究などの病態解明の為の研究と臨床検査の開発的研究であり、これらの成果は積極的に海外の一流誌に報告している。

臓器病態制御外科学 I (外科学 I )

大柳 治正(おおやなぎ はるまさ)

主には食道、胃、十二指腸における悪性疾患について、その転移や浸潤に関与する分子生物学的因子を免疫染色や遺伝子解析により解明し、その特性を生かした新たな治療法(術式や化学放射線療法など集学的治療)の開発ならびに内視鏡下低侵襲手術の開発についての研究を行っている。また、頸部食道癌に対する発声機能温存などの可能性を嚥下機能の機序解明を通じて研究を進めている。

臓器病態制御外科学 II (外科学 II )

奥野 清隆(おくの きよたか)

外科の特色を生かして、肝胆膵領域悪性腫瘍の切除標本の遺伝子・蛋白質発現を解析し、テーラーメイド治療を展開すべく準備段階に入っています。また、癌化の高危険群である慢性膵炎の膵組織の解析から、膵癌発癌のメカニズムの解明を行っています。実験的検討では、重症急性膵炎の重症化機構の解明や、膵癌発癌機構、膵癌の転移機構の解析を行っており、臨床と実験的研究の距離を短縮して、研究マインドを持った外科医の育成に努めています。

臓器病態制御外科学 III (外科学 II )

塩﨑 均(しおざき ひとし)

下部消化管疾患、ことに大腸癌の診断、治療に関する研究が主体。具体的には
  1. 低位直腸癌に対する自然肛門温存手術と術後排便機能の評価:
    従来は人工肛門を造設していた下部直腸癌に対して括約筋部分切除による自然肛門温存手術の手技と術後排便機能の関連。
  2. 大腸癌原発巣のマイクロアレイ解析による他臓器転移の予測:
    大腸癌原発巣の網羅的遺伝子発現解析により、肝転移、肺転移に関連する責任遺伝子群を抽出。
  3. 再発大腸癌の大腸癌特異的ワクチンと化学療法剤による免疫化学療法:
    大腸癌特異的な癌ワクチンを免疫することで特異的キラーT細胞を誘導し、治療効果を図る特異的免疫療法。東大医科研、久留米大免疫学との共同研究。

運動器機能病態制御学 (整形外科学)

濵西 千秋(はまにし ちあき) 福田 寛二(ふくだ かんじ)

高齢者総患者化の時代を迎え、既に腰痛、肩こり、関節痛という運動器疾患は国民愁訴の1位から3位までを占めています。運動器機能の障害は意志を表現する機能と手段の喪失につながり、人間の尊厳に最も関わる病態ということができます。これらの障害発症機構や機能損傷および修復機序などを遺伝子レベルまで理解することを目的とし、現在幹細胞を用いた組織再生、再生軟骨移植、生活習慣病と軟骨変性の関連解明、関節変性予防、骨と結合する金属材料の研究などで成果を上げつつあります。

泌尿器病態学 (泌尿器科学)

植村 天受(うえむら ひろつぐ)

泌尿器病態学分野では学内外との幅広い共同研究を基に臨床応用を視野に入れ、以下に示す分野の基礎的研究を中心に行っています。

  1. 泌尿器悪性腫瘍に関する研究、
  2. 腎移植に関する研究、
  3. 排尿障害に関する研究、
  4. 尿路結石症に関する研究

私たちの目的は、疾患の発生や進展のメカニズムの解明、新たな診断や治療法の開発など分子生物学的手法をもとに患者さんにフィードバックできるtranslational research (TR)をモットーとしています。事実、最新医療である腎細胞癌や前立腺癌に対する癌ワクチン療法はすでにベンチサイドから巣立ち臨床の場で効果の検証がなされています。夢のある研究を育て発展させ、さらに臨床の場でその成果を検証できる環境を有していることは研究者として本望であります。このように、我々は独創性のある基礎研究育成のため、自由闊達な雰囲気を大切にサポートしています。

視覚科学 (眼科学)

下村 嘉一(しもむら よしかず)

眼球は、角膜、水晶体、硝子体などの透明組織、網膜、視神経などの神経組織、外眼筋などの運動器からなる高度に機能分化した感覚器官である。外界の情報の約9割が視覚情報という形で眼球より入力され中枢で処理される。そして、さまざまな眼疾患によりもたらされる種々の視機能障害は、我々の日常生活におけるquality of life (QOL)に多大な影響をおよぼす。最終的には社会的失明へつながる可能性もあるこれら眼疾患の早期発見、発症予防、進行阻止、機能回復を目標に、動物実験モデル、臨床研究など多岐にわたる手法でその病態を解明し、より臨床に直結した評価法、治療法の開発および確立を目指す。

感覚器頭頸部外科制御学 (耳鼻咽喉科学)

村田 清高(むらた きよたか)

コミュニケーション障害の病態と頭頸部疾患の病態の解明、とくに人と人のコミュニケーションに必要な聴覚機能、音声言語系、顔面の表情運動、側頭部および周辺頭蓋底病変の診断と治療を中心に頭頸部疾患の診断治療を取り扱う。実際には唾液分泌、味蕾の形態および事象電位、鼻内内視鏡による手術法の研究、鼻アレルギー科学伝達物質、免疫組織学的研究、耳鳴の研究、頭頸部腫瘍の研究、鼓膜穿孔の治癒過程等の研究を行う。

女性機能病態・周産期医学 (産婦人科学)

星合 昊(ほしあき ひろし) 塩田 充(しおた みつる)

腫瘍、生殖、周産期、女性のヘルスケアの4分野がある。それぞれの分野の中での研究者の養成を目的とするが、前半2年間は各分野に横断的な基礎的教育を行う。分子生物学、細胞診断学、臨床腫瘍学、生殖医学、生殖生理学、臨床胎児学、分娩管理学、産婦人科手術学などが含まれる。後半2年間は基礎的教育で学んだ研究手法を生かして、臨床的あるいは実践的研究を行う。基礎的研究に偏ることなく、臨床に直結した問題解決型の研究指導を心がける。

麻酔・疼痛制御・集中治療学 (麻酔科学)

古賀 義久(こが よしひさ)

麻酔・疼痛制御・集中治療学分野の目的としては、将来どのような臨床科を選択しようとも第一級の全身管理のエキスパ-トとして通用する臨床科医を育成することであり、現在以下のような研究テ-マが専攻可能である。

  1. 低酸素性肺血管収縮機構および各種薬物の肺循環に及ぼす影響
  2. 疼痛と鎮痛における中枢および脊髄レベルでの各種神経伝達物質の関与
  3. 周術期に有用な各種新薬の呼吸・循環・中枢に及ぼす作用の治験。

神経機能制御外科学 (脳神経外科学)

加藤 天美(かとう あまみ)

神経機能制御外科学分野では新たな低侵襲治療法をめざし、悪性脳腫瘍には中性子捕捉療法や新規化学療法の開発を行っている。良性脳腫瘍には神経内視鏡やナビゲーション、画像誘導エネルギー集中治療などを中核とした手術支援法に実績があり、精緻な手術による優れた長期治療成績は国際的に評価が高い。脳血管障害では低侵襲血管内手術法を追究している。とくに脳機能性疾患(難治性てんかん、不随意運動など)における病態解明・治療開拓、ならびにブレイン-コンピュータ・インターフェイスの開発は本年から6年計画で科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択され、今後の成果が期待される。

心血管機能制御外科学 (心臓外科学)

佐賀 俊彦(さが としひこ)

先天性および後天性心臓血管疾患に対する豊富で先端的な臨床実績を背景に、基礎的、臨床的研究を通して専門的知識を修得させるだけではなく、先進的で独創的な研究を遂行する能力の育成する。また、その良質な研究成果によって心臓血管外科の進歩に貢献することを目指す。

形成・再建外科学 (形成外科学)

磯貝 典孝(いそがい のりたか)

私たちは、1997年に指骨および骨、関節軟骨、靭帯の複合組織から構成される指関節の再生誘導に世界で初めて成功しました。この実験結果から、組織再生の可能性はさらに広がり、単一組織から、より複雑な組織再生(器官)の再生誘導が可能であることを示しました(J. Bone Joint Surg.1999)。この指関節モデルを用いて再生組織の長期的観察を行い、透過電顕を用いた再生指骨の血管網、細胞由来、微細構造と遺伝子発現、MRIを用いた移植後の組織再生過程などを研究テーマとして取り組みます。一方、大動物モデルでは、細胞レベルから組織再生(耳介軟骨、指骨、指関節など)を誘導する技術は未だ開発されていません。今後は、これまでの小動物モデルを、さらに大動物モデルに発展させ、長期的に3次元構造と組織機能を維持する耳介軟骨および指骨・指関節組織の再生誘導を試みたいと考えています。

生体侵襲医学 (救急医学)

坂田 育弘(さかた いくひろ) 嶋津 岳士(しまづ たけし)

生体侵襲医学分野では救急疾患に関する基礎的・臨床的研究を通じて重症救急患者の診療につながる専門的知識を習得し、救命医療医学の基礎的・臨床的能力を養成することを目指している。

研究室では、
  1. 重症度の診断の目安となるサイトカイン前駆物質の測定によりショック患者の治療への臨床的応用に期待をかけている。
  2. 腸管出血性大腸菌の感染メカニズムについてラットを用いた研究を行い1と併行して敗血症治療への応用を期待している。
  3. 中毒物質の詳細な分析を行い、その結果に基づいて治療に応用している。
  4. 中毒物質の臓器障害のメカニズムについてラットを用いた研究を行っている。

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