

私は学部3年時に、文学部哲学科から法学部へ編入しました。当初、法学部の学生についていくことに必死であり、法とはどのようなものかを考えることなく、理論・定義の暗記ばかりしていました。しかし、本来法とはそのようなものではなく、正義を目指すものであるということが徐々に分かってきたことから、今までの勉強法とは異なり、正義の追究を目指そうと考え、大学院に進学し考察を深めようと考えました。正義の追究や真理の探究などは結局のところ、当初学んでいた哲学と共通のものであり、編入時とは違い、大学院での勉強・研究は私にとって親しみを持つことができました。そこから、本格的な研究者を目指して、現在の後期課程への進学を決断しました。
修士論文において除斥期間の問題点を論じたことから、現在はその問題点をより相対的に考察し、法律解釈論上の回答と現実問題との齟齬を埋めるための基礎的考察を行っています。具体的には、日本の民法はドイツとフランスから大きな影響を受けており、両者の影響が複雑に交錯しているのが現実です。そのような中で、両国では除斥期間をどのように考え、同じような問題に対してどのように対処しているのかを捉え、日本の解釈にも生かすことができるのかを研究しています。
さらに「期間」というものは除斥期間だけでなく、消滅時効や出訴期間など、様々な概念が存在しています。そうすると、全体的に期間というものは法律の中でどのような役割を担い、なぜ一定の期間が定められなければならないのか等を現在研究しています。
現在の目標は研究を継続し、博士論文まで仕上げることにあります。将来は、法に関する研究者を目指しています。しかし、現在ではロースクール(法科大学院)が開始し、法曹三者を目指す人たちがそちらで勉強をしており、また、ロースクール卒業生が後期課程を受験することは、どこの大学でも認められていることと思います。そうなると、ロースクール卒業から研究者を志望する者も現れ、両方の学生が今後どのようになっていくか、現況では分かりません。そのことから、研究科卒業の研究者としての存在意義を見出すことが、一番の目標であるかもしれません。
近畿大学の法学研究科は、門戸を非常に広く開いていると思います。そこから、あまり不安に思わず、まず先生と相談するなどして進学を考えるのがいいと思います。実際に、研究科では様々な人たちが勉強をしています。しかし、これは裏を返すと、具体的目標を何も持たずに進学すると、何の成果も得られないということです。先生方は親切に指導をして下さいますが、それは自己の目標があってのことです。院生各自もそれぞれの目標を持っているため、漫然と進学すると、自分の居場所さえ探せない可能性もあります。また、近畿大学に限らず後期課程に進学しようと考えているのであれば、外国語を一定のレベルで理解できる必要があります。後期課程ではそれを使いこなせることが求められるからです。具体的なことはやはり、指導教授との話し合いで決めることになると思います。
| 除斥期間概念の研究(除斥期間概念の現状分析とその一考察) |
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| 除斥期間とは一般的に「権利関係の早期安定(早期解決)」を目指すものであるとされています。しかし、この趣旨を貫徹すると、現在問題となっている肝炎訴訟など、被害が潜伏し発生までに時間がかかる場合には、被害者にとって非常に酷なものとなります。そこで、除斥期間には限界があるのか、あるならばどのようにしてその限界を理由付けるのかを論究し、また、憲法上の財産権との関係についても問題提起を行っています。 |