研究室

研究室の紹介

※研究室は2017年度のものです。2018年度は変更になる場合があります。

建築学は一般に、設計・計画・構造・環境の4つの専門(系)で構成されます。近畿大学建築学部での建築学は、建築工学専攻、建築デザイン専攻、住宅建築専攻、企画マネジメント専攻の4つの専攻を社会につながる縦糸、専門系を横糸として構成されています。ここでは、4つの系を軸に研究室を紹介します。

建築設計分野の研究室

建築・環境研究室
都市を構成し環境を形成する現代建築のデザインや根底にある思想について、社会的背景を鑑みながら、その検証と設計行為の実践につながる問題を研究対象としています。
建築・都市空間研究室
断面で空間を捉えることや、新たなプログラムを創出するための思考プロセスを主軸として位置づけ、人間が持つ身体感覚の主体性をあらゆる視点から総合的に探っていきます。身体が空間より受ける感覚を明らかにすることで、身体性を考慮した空間づくりが行えるようになることを目的とします。
空間デザイン研究室
IT全盛の時代にあっても現実の空間は変わらず重要です。魅力的な空間をもった建築も歴史上数多くあります。それを自ら実現できるように手法を学びコンペにも積極的に参加しています。
建築・都市デザイン研究室
デザイン・解析の両面から建築と都市の研究に取り組みます。都市構造の造形、都市のコミュニケーションデザイン、都市とアートなどの研究を行うとともに、人間の所為である建築と都市におけるさまざまな事物を読みとり、環境デザインの実践に結びつけることをめざします。
設計・デザイン論研究室
建築のかたちには理由があります。設計者は素材や構造の知識、与条件の読み取りをもとに、ことばや図でコンセプトを組み 立て、設計の指針としたり、作品を説明したりします。設計の実践と並行して、その原動力となるそれらの理論を考察しています。
建築都市デザイン理論研究室
現代において建築家の職能の多様化に呼応するように建築デザイン教育も新しい局面を迎えています。この研究室ではアジア太平洋地域の建築デザイン教育の多様性を国際比較しながら体系化する研究と並行して、海外大学との国際交流にも取り組みます。また建築の面白さを建築専門外の人たちと共有するとともに都市魅力の醸成をめざす「生きた建築学」に関するプロジェクト(建築映画研究、アウトリーチ活動)にも取り組んでいきます。
空間理論研究室
近代建築の成立過程を解明することをテーマにしています。特に、伝統芸能である能楽が演じられる能楽堂は主要な研究テーマです。能楽堂は入れ子と呼ばれる能舞台を室内に納めた独自の空間を構成し、世界的にも稀な劇場空間を持っています。この空間は、伝統や建築技術、明治期以降の政治、社会、芸能などのさまざまな方面からの影響が重層しながら成立したことを解明しました。現在、伝統芸能空間全般を対象とし、東アジアの建築界の近代化を視野に入れて研究を続けています。
都市計画研究室 
日本と海外をフィールドに、景観・減災・子ども・コミュニティ形成などの観点からまちづくりを研究。実際に行政からの依頼でプロジェクトを実施することもありますが、地域の方々と意見を共有することを大切にしながら、具体的なまちづくりの実践方法を探求しています。
建築計画研究室 
「ある場所に人がどう居られるか=人の居方」という切り口から街や建築について考察。「居合わせる」「たたずむ」など、その場所にどう居るのかを説明・表現する言葉からその居方がどのような状況やデザインで成り立つのかを調べていくことで、気軽に居られる場所の少ない日本の街に居場所を増やし、より人間的な環境にしていくこと目的としています。
サステナブルデザイン研究室
サステナブル(持続可能)な社会に相応しい住居や住まい方をどのように設計すればいいのか。ライフステージに合わせて居住空間を可変させる工夫や、自然の光や風を上手く取り入れることで省エネルギーでかつ快適な設計手法(パッシブデザイン)を研究しています。これからの住まいづくりは単に見た目のデザインだけではなく環境への配慮や性能面も意識して設計する必要があります。
日本建築史研究室 
我が国には、日本固有の木造建築文化があります。それは、部屋を形づくるとき壁を用いるのではなく、襖や障子などの引き違いの建具(遣戸・やりど)で囲って部屋を作る文化です。この遣戸は10世紀の後半に日本で考案され、その後の日本建築に幅広く取り入れられました。遣戸が生まれる歴史的背景や、その普及・利用のプロセスを、文献史料、考古学の成果、絵画資料、さらには民家調査などを加えて、一歩一歩研究を進めています。
地域マネジメント研究室
コミュニティ、行政、専門家など多様な主体の役割を意識し、生活にかかわる多角的な視点から、持続可能なまちづくりを具現化する建築・都市計画事業の企画および地域マネジメントの成立要因や手法を研究し、実践力を培います。
居住福祉研究室
気の合った仲間と老後を楽しく過ごしたい。介護を受けながらも自分なりの生活を維持したい。高齢期におけるさまざまなニーズに対応した住まいのあり方について研究しています。
減災学研究室
都市化に伴い災害が巨大化している中、災害をゼロにする「防災」は、経済的に限界があります。また、被災後の復興は社会的にも効率的とは言えません。そこで被害を少しでも減らす「減災」が求められています。研究室では過去の経験から学び、将来に役立てる方策を探っています。
建築・都市再生デザイン研究室
建築や都市の再生における建築や不動産の企画及び空間デザインに関する研究を行っています。日本はスクラップアンドビルドの成長時代が終わり、縮小化社会という新たな局面を迎えています。最近は空家や市街地空洞化等の社会問題が懸案ですが、今こそ成熟社会の文化形成の時代が来たともいえます。遊休不動産となった既存ストックのリノベーションは問題解決の手段であると同時に時間の積重ねでこそ生み出される都市文化を形成する重要な手法でもあります。
住宅計画研究室 
住宅は身近にある建築で、問題は各人各様にあります。現在の住宅とそれを取り巻く環境が何を問題にしているか、これからの住宅・住宅地に何が必要なのかを課題としてさまざまな角度から研究しています。
建築生産研究室
「所有から利用へ」をキーワードに維持・更新を中心とした建築の計画・マネジメント手法を研究。本格的な人口減少時代を見据えた新築に依存しない建築生産のありかた、既存建築ストックの利活用のありかた、あるいは諸外国における持続可能な建築生産形態の先行例について、調査研究を実施しています。
西洋建築史研究室
西洋、特にルネサンス文化を生んだイタリアの歴史的都市フィレンツェを対象に、「建築物がいかに多様な条件から成り立ち、空間や様式がデザインされてきたのか」について研究。建築単体だけでなく、都市的な視点、土木的な視点といった、建築を取り巻くさまざまな視点から多面的に考察を進めています。
都市住宅研究室
多様な価値観を持つ居住者が共同で利用する集合住宅をより持続的に利用するには、どのようなマネジメントが必要なのでしょうか?集合住宅の歴史がある海外の管理体制や日本の事例を通して、住宅だけでなく居住者の生活を支えるマネジメントや建築社会システムを考究します。

建築構造・材料分野の研究室

木質構造研究室
地震に強い木造住宅を建てるための理論的研究と実験をしています。実験では、実物大の建築物の壁などを計測しながら破壊させて耐震性能を調べています。
コンクリート構造・材料研究室
コンクリート構造物の耐震性・耐久性についての研究を行っています。高強度材料を用いた部材の耐震性能評価や、コンクリートの弱点を補う構造(プレストレストコンクリート構造)の研究、その他、コンクリート内の鉄筋が腐食した場合に部材性能がどのように変わるかといったことについても研究しています。これらの研究を通して、コンクリート建物の長寿命化に貢献することをめざしています。また、地震被害や歴史的建物の調査を他大学と共同で行っています。
建築数理研究室
地震や風に対して建物が揺れなくするための工夫を考えるとともに、強さと美しさを兼ね備えた構造部材の配置方法などを実験と解析の両面から研究しています。
耐風構造研究室
当研究室では、台風や竜巻などの自然現象がどのような性質なのかを、気象観測データを手がかりに明らかにしていきます。また、コンピュータシミュレーションを駆使して、目に見えない風を「見える化」し、強風によりどのような力が建物に作用するのかを研究しています。
建築・構造計画研究室
建築の豊かな空間はその骨格である「構造」で支えられています。「力の流れ」に対し合理的で洗練された「構造計画」による建築は地震などの自然脅威に強くかつ「構造美」を醸し出します。長年の実務経験に基づき、理論的かつ実践的に構造計画・構造設計を探求しています。
耐震構造研究室
我が国は世界でも有数の地震大国であり、国民が安心して暮らせる建築物とは何かを命題に、建物の地震に対する安全性について研究しています。
鉄筋コンクリート構造第2研究室
建設年代の古い(1981年以前)鉄筋コンクリート造建物の柱や梁部材を、現行の設計基準を満たすように補強する方法について、実験を行い、その性能を確認しています。
建築材料研究室
古来より使われてきた木、竹、土、茅などの建築材料は、資源循環性や美しい風合いなど、現代に求められる魅力があります。地域に眠るこうした材料を生かす方法を模索します。材料への科学的な探求に加え、材料を生かしてきた職人技術の保存と工学知への転換、地域の中での循環を可能とした生産体制・地理的条件などについて分析します。

建築環境分野の研究室

建築環境システム研究室
限りある資源とエネルギーの節約と、人の健康性・快適性の追求を目的にさまざまな調査や実験、シミュレーション手法を用いて、建築物の省エネルギー性、耐久性、健康性などを評価し、実際に社会で役立つ情報と技術をつくっています。
建築音響研究室
建築空間に良い音環境を実現するための研究に取り組んでいます。現在の中心課題は、騒音や残響の中での音声伝達です。聴力の衰えた高齢者にも聴き取りやすい環境の実現をめざしています。
建築環境設備研究室
最小限のエネルギー消費で、建物内に居住する人々が健康で快適に暮らすための室内環境を実現する環境設備システムの計画・解析・評価をテーマに研究を行っています。換気と空調に多くのエネルギーを要するレストランなどの調理作業空間を対象に、効率のよい換気や空調によって建物全体のエネルギー消費量を最小限に抑えるとともに、快適で衛生的な作業空間の実現をめざします。
建築環境工学研究室
熱・空気・湿気環境に関する研究を行っています。特に、自然環境と建築・都市環境の相互作用とその定量化手法、および材料の熱・湿気物性に関する研究を行うことで、先進的な環境予測・制御・最適化手法の開発・提案をめざしています。