学部案内

学部長挨拶

建築会社の苦闘が数年続いていますが、建築社会の容れ物としてのオフィスビルや公共施設、衣食住の基本の一つである住宅、いずれもこの社会に必須であり、このことは今後も変わることはありません。しかし、全ての技術・モノと同じように、社会と生活の変化に合わせ、建築の在り方、作り方もどんどん変わっていきます。現在、多くの会社はこの変化への対応に苦しんでいます。しかしこれは、次の時代に再生するための産みの苦しみに似たものであり、これを乗り越えるところに、皆さんの時代の始まりがあります。皆さんは、知ってのとおり、近畿大学は、従来の理工学部にあった建築学科を母体として、建築学部を創設しました。建築と建築業と建築学、それぞれの変化に合わせた大学としての当然の対応と言えます。

皆さんのこれまでの勉強とは、知識を蓄え、知識に基づき問題に対する答えを探すものでした。この建築学部での勉強も、建築に関する知識を蓄えることから始まりますが、最終的には、問題自体を自分で見つけるようにならなければなりません。多くの場合、その問題には正解がありません。正解がない中で最適な何かを決めていく、このことが大学での学問、ならびに皆さんのこれからの人生で最も重要なことです。建築学の再構成の中で、私達教員もまだまだ学ぶことが沢山あります。共に学び成長し、次の時代の建築を作っていきましょう。
建築学部長 岩前 篤

 

建築学部学部長インタビュー

――― 建築学部の特徴について教えてください。

従来の建築学科は、理工学部で理系的センスという、いわゆる工学的な技術者の養成を中心に考えられてきました。しかし、実際には町や社会の基盤になる建築というものがあるので、工学だけではないんです。建築学部では、そういう社会的要素をより大きくしていこうと考えています。

――― 建築学部の授業内容はどのようなものですか。

従来の授業もあるのですが、少し物足りないものを強化しようと思いました。例えば、線を引くってすごく大事なんですよ。最近はCAD(キャド)というコンピューターで図面とかを書くんですけど、イメージを整理する段階や現場で図面を直すなど、線を引く機会があるんです。その時に、人の手で書く線のうまい下手で、その人の力がわかるわけです。私たちはきれいな線の引き方、そういうところからまずしっかりやっていきたいと思っています。同時に、とにかく全体で建築というものを把握、理解してもらう。使い方や造り方などをひっくるめて理解してもらいたい。例えばBLOSSOM CAFÉを題材に、それについて徹底的に勉強してもらいます。いろいろな角度からBLOSSOM CAFÉをスケッチしたり、図面を写し取ったりします。図面を写し取るっていうのはすごく大事なんですよ。そういう授業を通して、設計者の思いや利用者の立場、それを実現するために機械がどんな使われ方をしているかなどを勉強してもらう。そして、建築の全体像をまず把握してもらう試みをしようと思っています。ずっと座って基礎的なことを学ぶ時間もあるのですが、できるだけ実際に自分で建物を見て触って感じることを大事にしたいです。また、学生生活の中でできるだけ社会との接点を増やそうと、現場で働いている方やOBに来て頂いて、話して頂く機会を設けようと考えています。建築にはいろいろな側面があります。それが1つの建築というものの中に集まっているので、人それぞれおもしろいと思うところが変わってきます。学生に建築はおもしろい、楽しいとわかってもらいたいと思います。

――― 建築学部でどのような人材を育てたいですか。

いろいろな人の思いを形にするという意味では、建築はすごくおもしろいものなんです。しかし、それだけを考えて取り組むと、非常に視野の狭い中で行なうことになってしまいます。視野の小さな範囲で造られた建築物が、何十年も世の中に残ってしまうというのは、あまりよろしくない。これからの町や社会全体を含めて、建築というものを捉えられるような視点を持っている人になってほしい。そういう人を育てていきたいなと思います。

――― 建築学部のみなさんにメッセージをお願いします。

一緒に楽しみましょう。建築っておもしろいものなので、それをわかってもらいたいなと思います。きっかけは私たちがいくらでも提供しますから、ただ単に受け取るばかりではなく、自分からどんどん動いてほしい。建築物は周囲にたくさんあるので、自分で見て触れて、自分から経験を積み上げることをしてほしいと思います。そうすることで、よりおもしろみが増す方向に向かうと思います。